性能ニーズは「耐震性」がトップ。早急な適応が必須
近年、断熱・気密性や耐久性に対する生活者の要求は厳しくなりつつあります。一方で、耐震性は今も昔も大きな関心事。僅差ではありますが、購入時に重視した人の割合では依然として耐震性がトップです。
しかしながら、『全棟耐震等級3』となると、コストや知識の面から実現が難しい、と二の足を踏む工務店も少なくはありません。悩ましいところです。
コスト対策に超効果的【商談コスト】
下の表は、生活者600人に、工務店などを選ぶ、最終的な「決め手」は何だったかを調査した結果です。一次取得層である30代の数字を見てみましょう。
例えば「耐久性、長寿命性」や「建物の大きさ、広さ」では男女で10ポイント以上の差があることがわかりますが、「耐震性、構造・工法」は、男女の差は5ポイント。どちらにとっても重要度が高いことが見て取れます。
これは、工務店にとって大きな追い風になるのは間違いありません。なぜならば、男女比は商談時に大きく影響するためです。
例えば夫婦との商談では、夫婦双方がともに重視しているニーズは即決につながりやすく、商談コストの大幅な削減が期待できます。
また、「スタッフのスキル、顧客対応力」も、男女ともに決め手になりやすい要素。顧客のニーズに、的確に応えられるだけの地力は好印象に直結します。
コスト対策に超効果的【建材コスト】
構造計画が整っていないプランはそもそも「コストが上昇する」という課題を抱えています。
構造の知識がなく、プランニング時に構造への配慮ができないと、不自然な力の流れを受け止めるために柱や梁せいを必要以上に太くせざるを得なかったり、基礎もコンクリートや鉄筋の量が増えてしまったりして、ただでさえ価格が上がっている中でさらにコストがかかる結果になってしまいます。
構造計算の知識があれば、プランニングの段階から構造を意識した設計が可能になりますし、不要なコストアップにつながる資材・仕様がないか、積算の早い段階で判断できるように(それも社内で)なるため、手戻りも減らすことができます。
熟練すれば【内製化】によるさらなる可能性
構造計算の内製化は、効率的で合理的な設計の確立につながり、外注費の削減が期待できます。商談、建材、外注費などあらゆるところの「余分」をそぎ落とすことでその余力を価格に転嫁することができれば、“ハイコスパの高耐震住宅” という看板メニューでのブランディングなど、さまざまな可能性が見えてくるはずです。
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