一般社団法人日本サステナブル建築協会は1月13日、住宅の断熱化と居住者の健康への影響に関する調査の中間報告を行った。それによると、冬期において起床時室温が低いほど、血圧が高くなる傾向がみられ、高齢者ほど室温低下による血圧上昇が大きいことが確認されたという。また、断熱改修によって室温が上昇することで居住者の血圧が低下する傾向も確認されたという。
本調査で得られた1753人の有効サンプルを用いた分析の結果、冬期の朝に室温が10℃低い場合には血圧が7.3mmHg高くなったという。また、年齢が10歳高齢になると8.8mmHg高くなったという。
このほか、寒い家に住んでいる人は入浴事故リスクが高いとされる湯温が熱め(42℃以上)の入浴をする確率が高いこともわかった。
同調査は、2014年度から国土交通省の予算による「スマートウェルネス住宅等推進事業」で、住宅の断熱化が居住者の健康に与える影響を検証することを目的に実施されているもの。断熱改修を予定する全国約1800軒の住宅に住む約3600人を対象に、改修前後で居住者の血圧や身体活動量の変化などを調べた。医療・福祉系の研究者と建築系の研究者が共同で取り組んでいる。改修工事などに全国各地域の協議会構成員として地域工務店も参加している。
同協会は1月30日に東京・千代田区のJA共済ビルのカンファレンスホールで中間報告会を開催する。事前登録制。定員は300人。詳細は同協会のホームページ(http://www.jsbc.or.jp)で確認できる。
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