市場性大の床下断熱リフォームを防蟻機能付き現場発泡ウレタンで
床下断熱改修専用の商品登場
さらに、床下断熱リフォーム専用の現場発泡硬質ウレタンフォーム「フォームライトSL−100AT」を発売した。ピレスロイド系の防蟻成分を含ませることにより、シロアリリスクを低減する機能を備える。
「床下断熱リフォームは、今後市場性が見込める分野の1つ」と同社・安形さんは話す。近年、断熱リフォームの需要は高まっているものの、水まわりや内外装と比べるとまだ少ない。だが、築20年以上の住宅に着目すると、床下断熱が未施工という物件は多く、冬の底冷えや暖房の効きの悪さに悩む人は増える。
冷えは万病の元だ。彼らの不満・不安にフォーカスすることで「床下断熱リフォーム」は新しいビジネスチャンスになると同社は見る。
現場発泡のメリットが生きる
リフォームだと、現場発泡タイプの優位性がよりはっきりとわかる。
床下の形状や大きさに左右されずに断熱・気密性能を同時に確保できる。接着性に優れるため躯体に自着、断熱・気密層の脱落の心配がない。床を剥がす必要がないため、住みながらのリフォームに対応する。新築同様、1~2日と短工期。床暖房を新たに設置するよりも安く済む——こんなにメリットがある。
効果が伝わりやすい
また、リフォーム前後の変化がわかりやすいのもいい。
[図]は施工前後の1日の室内温度の変化を示したもの。リフォーム前の家は、寝る前に暖房を切ると、朝起きたときに外気とほぼ同じ温度まで下がるうえ、日中も床上温度は10度までしか上がらなかった。だが、床下断熱リフォームをほどこすと、起床時点の室内温度はそこまで低くならず、外の冷気が遮断されるので暖房ロスが減少。日中は床上温度も15度まで上がった。
こうしたデータをもとに床下断熱リフォームの有効性を示してあげれば、新しい市場をつくり上げることは十分に可能だろう。
国の施策と連動した挑戦を
安形さんによれば、現場発泡タイプのウレタンフォーム断熱材の認知度・採用意向は年々増えており、この15年間で延べ10万棟超の実績があるという。「導入のハードルは意外と低いので、これからZEH対応や断熱リフォームに挑戦したいと考えている工務店さんにはぜひ使ってほしいアイテムです。いずれも国の住宅施策との関連性が強く、伸びが期待される分野。適切な材料を選ぶことで、手間やコストをかけずに自社のレベルアップにつなげることができると思います」。
- 高断熱+高気密。熱伝導率0.026W/mk 以下(通常タイプ0.04W/mk 以下)。気密工事不要で騒音をシャットアウト
- ノンフロンを達成し、ひと・環境にやさしい。結露・経年劣化を防ぎ、温度のバリアフリーも
- 低コスト・短納期。防湿層不要で設計の自由度を向上
近年、認知度・採用率ともに増えている現場発泡硬質ウレタンフォーム断熱材。ミスト状にした原料が隅々まで入り込み、吹き付けた瞬間からふくらんで断熱層を形状することから「マシュマロ断熱」の愛称で知られる。
断熱・気密施工が同時に完了するため、別途気密工事を行う必要がないのが大きな特徴。また接着性にすぐれ、面・角・隙間を問わず壁や天井、コンセントボックス、ダクトまわり、外気に接する金具などどこにでも「自着」するため、断熱層の垂れ、性能劣化、結露が起きにくい。
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