断熱材の長期的な性能、施工の確実性をシビアに検討する住まい手が増えている。そんなこだわり層に選ばれる現場発泡硬質ウレタンフォーム断熱材『フォームライトSL』。今秋10月、従来よりも断熱性能を35%向上しノンフロン化を実現した待望の新商品を発売する。BASF INOAC安形紀人さんに話を聞いた。
高性能タイプのノンフロン化実現
手間なくZEH対応が可能に
性能を35%向上し、35%薄型化
今回発売する『フォームライトSL−50α』の大きな特徴は、従来よりも断熱性能を35%向上し、ZEH対応を容易にしたこと。熱伝導率は0.026W/mk以下。発泡後の密度を約2倍に高めたことにより、断熱層の厚みを35%低減する。
この新しい『フォームライトSL−50α』を使うことで、どんなメリットがあるのか。「地域により異なりますが、平成25年省エネ基準と比べた場合、外皮性能を2割強化することができます。すでに『フォームライトSL』をお使いの工務店さんでしたら、従来とまったく同じ厚みで施工するだけでZEH基準を簡単にクリアすることが可能です」と安形さんは言う。
壁厚そのままでZEH化が可能
つまり、材料を変えるだけでZEH化に対応できるということ。
通常、現行仕様から性能のレベルアップを図る際には、壁厚を増やしたり、外張り付加断熱が必要になるため、手間もコストも工期も余計にかかる。だが、従来と同じ壁厚でいいのなら、性能向上がらみのわずらわしさを一挙に解決できる。
とくに寒冷地なら、標準的な壁厚内に納めながら高性能化できるメリットは大きいはずだ。
防湿層不要、合板を選べるように
もう1つの大きな特徴は、設計の自由度が上がったこと。
「発泡後の密度を約2倍にし、透湿抵抗を高めたことにより、結露が発生しないことを示す面倒な定常計算や、室内側の防湿層の設置が不要になりました。使える構造用面材の制限がなくなるので、寒冷地でニーズが高かった合板もこれからは自由に使うことができます」。
防湿層の省略+合板の使用が可能になれば、工期・コストの低減にもつながる。
ノンフロン実現、工務店と好相性
また、地球温暖化係数が従来の450分の1という新しい発泡剤「HFO」を採用することでノンフロン化にも成功した。製造時のCO2削減、地球温暖化防止に寄与することで、より環境にやさしいエコな断熱材として進化を遂げた。
健康・環境に配慮した工務店の家づくりとの相性もいい。同社認定の専門業者が材工一式で工事を行うことにより、断熱・気密施工の確実性を担保。住まい手のなかには中小工務店に対して「性能が低そう」「結露しそう」といった根拠のない不安を抱く人もいるが、これらを払拭することができる。
工期は1棟あたりわずか2日間ほど。狭小住宅なら1日で完了するケースもあるという。
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