TOTO(福岡県北九州市)などトイレ関連事業者6社からなる「学校のトイレ研究会」は10月5日、熊本地震の被災地で学校や体育館など避難所で生活する101名を対象に実施したアンケート調査の結果を発表した。7月13日〜15日に6カ所の施設(熊本市総合体育館、宇土市走潟地区体育館、宇土市緑川地区トレーニングセンター、宇土市轟地区トレーニングセンター、益城町立広安小学校、益城総合体育館)で調査したもの。
地震直後に避難所で不便に思ったことについての設問では、食事や衣類、冷暖房などを大きく引き離して、第1位がトイレ、第2位が入浴・シャワーだった。また、避難所の常設トイレの設備面で困ったことについての設問では、第1位が「和式便器が多い」、第2位が「温水洗浄便座がない」だった。
避難所では、トイレのほとんどが和式便器主体だったため、長期避難者の大半を占める高齢者から「和式便器が使えない」という悲痛な声があがっていたほか、入浴・シャワーが出来ないことから温水洗浄便座を求める声も多くあったという。これらのことから「学校などの避難所になりうる施設ではトイレの洋式化が急務」としている。
同研究会では、発足20年を迎えて、これまでの研究知見を一冊にまとめた総集編『学校トイレノウハウブック』を発行した。誌面では、熊本での調査結果も緊急報告として掲載している。同研究会ホームページ内から取り寄せが可能。また、熊本の人々の生の声や、現場の人々の尽力する様子についての報告をまとめた『学校のトイレ研究誌2016号外』もホームページからダウンロードできる。
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