「旗色鮮明」という言葉がありますが、旗を立てるのは大事だと思います。
旗というのは目印ですから、少し遠く、目指す場所に立てるのがいい。そして、そこを目指して、みんなで歩いていく。
この旗が目指す理想像で「ビジョン」です。
売上げ・利益というのは足元の話です。足元を見ていないと転んでしまいますが、足元ばかり見ていると気がつくと来たくなかった場所に来ていた、道に迷ってしまったということになりかねません。
また、下ばかり向いていると、気分も暗くなってきます。ちらちら足元を見ながら、上を向いて、旗の位置を確認しながら、歩いていく。「上を向いて歩こう」という言葉は、経営においても至言だと思います。
旗に向かって歩いていくときも、その旗と同じ色の旗を掲げながら、誇らしげに行進していく、というのが理想だと思います。
なびく旗を見て、その旗の下に集まってくる人がいる。そんな人たちが、仲間であり、「理想の顧客」だと思います。そんな人たちと、理想の場所に向けて行進していくのは、心強く、そして楽しい道のりだと思います。
ここ数年の政治は、国のビジョンを描き旗を立てる人がいないうえ、足元の政局―陣取り合戦にばかり夢中になっているように見えます。東日本大震災後もこの姿は変わっていないのではないでしょうか。
これでは迷走して当然ですし、旗も掲げていないので国民も集まってこないし歩いていくべき方向も見えない。政治不信が広がるのも、国としての競争力が低下するのもあたり前だと思います。
また、足元ばかりみているので、気分も暗くなり、悲観論が広がっていきます。先日会ったある経済人が「いっそ日本はこの機会に破産すればいい。そうしたら韓国のように、強いリーダーのもとで再生できるかもしれない」と話していましたが、「焼け野原願望」すら出てきています。
旗を掲げる。上を向いて歩く。苦しい時だからこそ必要なのだと思います。
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