LIXIL(東京都千代田区)は11月1日、フルオープンタイプのガーデンルームと日本の軒空間を融合した「エクシオール ジーマ」を発売する。敷地に余裕のある地方での建て替え、別荘などの第2次取得者層のニーズを取り込みたいとする。
ウチとソトの中間領域である「軒」のある暮らしの心地よさを追求。折戸パネルを開け閉めする「ルームタイプ」と、パネルがなく屋根・柱だけで構成する「テラスタイプ」から用途に合わせて選べるようにした。
ルームタイプは、2枚1セットずつの折戸パネルを開け閉めすることで、夏は風通しのいいテラスとして、冬は外気を遮断するガーデンルームとして過ごすことができる。
今回新たに、本体屋根の下に内天井を取り付けた「軒ルーフタイプ」をラインアップ。内天井が付いたことで、ライティングも可能になった。このほか、屋根とパネルが透明な「採光ルーフタイプ」も用意した。
また、パネル構造を大幅に見直し、桟をスリム化(上桟65→30、縦桟37.5→25、下桟100→30)。同時にパネル強度を約3倍に高め、ガラス面積を12%大きくしている。
部品点数も徹底的に少なくし、シンプルで使いやすい錠構造、水密性にもこだわった。
一般地域用、積雪地域用、多積雪地域用の3種類。間口は1.5・2・2.5・3間、出幅は6・8・10尺。組み合わせや色のバリエーションも豊富で、躯体に直接打ち付けることができない場合の独立施工部材も用意する。
なお、新商品の開発にあたっては、建築家の並木秀浩氏(ア・シード建築設計、日本大学非常勤講師)と松島潤平氏(松島潤平建築設計事務所、芝浦工業大学非常勤講師)も加わったという。
「軒空間は住まい手の楽しさを増幅させてくれるもの。ここで朝食をとれば昨晩の残りのカレーをより美味しく感じることができるだろうし、線香花火など室内ではできない楽しみもつくり出せる。開放感と安心感の両方を得られる、環境共生装置と言えると思う」(並木氏)。
「自然は、気持ちいいだけでなくしんどい部分もあるが、軒空間なら長時間いっしょにいることができる。また軒は、高気密・高断熱化で建物がどんどんモノコックな箱になっていくなかで、在来工法本来の開放感を足してくれる。軒がまち全体をリッチにする。理想的な無目的空間だと思う」(松島氏)。
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