注文住宅のつくり手の役割
住宅は注文住宅だけではない。家庭部門の省エネ、省電力消費を実現させるには分譲住宅や賃貸住宅のあり方、そしてそこに住む人の意識や行動も重要になる。
しかしそうした住宅で暮らす人は省エネや省電力消費に関する情報を、その住宅を提供した企業や人からほとんど得ることができない。またそうした住宅のあり方は国などの施策によるものに従うことになる。
もちろん「次世代基準の断熱性能です」「エコキュートを装備しています」といった省エネにつながるメッセージを出して分譲住宅を販売する企業もいるが、そうした企業や住宅はまだまだ少数だ。
しかし注文住宅であれば、家づくりの過程において省エネや省電力消費に関するつくり手と住まい手とのコミュニケーションを生み出すことができる。家づくりのあり方はもちろん、どのような暮らし方をすればうまく行くかについても議論できる。
つまり、注文住宅のつくり手は「Forward to 1985」のメッセージの発信者となり、それに向かう技術的な情報を提供して、「Forward to 1985」を実現させようとする住まい手を生み出す主体者となれるわけだ。
注文住宅のつくり手と住まい手が一体となって、「Forward to 1985」のリーダーとなれるということであるし、そうあらねばならない。
「Forward to 1985」をまず引っ張るのは注文住宅を提供するみなさんなのだ。
マクロな数だけで考えれば、新築注文住宅が1/2エネルギー消費を実現させたとしても、まだまだ全体の中での影響は小さい。しかしこの運動が広がることになれば、その影響は極めて大きいだろう。
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