新建ハウジングプラスワンに長い特集記事を書きました。「暮らし提案の仕方、コト売りのすすめ」とタイトルで、物語スタイルでまとめました。
以下に少し抜粋してみます。
コト売りの基本はふたつあります。
ひとつは、自らの価値観を磨き、それをモノとサービスに落とし込み、自社ならではの「スタイル」を築くこと。
もうひとつが、その価値観に共感し顧客になってくれた人の姿を見込み客に見せることです。世の中すべての人に自社の家を「なんかいい」「これが欲しかった」と感じてもらうことは不可能です。嫌われないことを目指せば目指すほど、八方美人な提案や無難なプロモーションになり、感性に響かないものになっていきます。
大企業はまだしも、小さな会社は、一部の人には嫌われてもいいから、一部の層には「とっても好き」「これこそが欲しかった」と共感・感動してもらえるような「尖った」スタイルを目指すべきです。お手本とすべきは、バイクのハーレー・ダビッドソンです。■スタイルとは何か
では、スタイルとは何でしょうか。
「ライフスタイル」という言い方をします。ここにもスタイルという語句が入っていますが、ライフスタイルとは「その人の価値観や人生観、アイデンティティを反映した生き方」です。
同様に、会社にとってのスタイルとは、「経営者・会社の価値観や経営哲学、美学、アイデンティティを反映した生き方」です。
工務店さんの場合はこれらを建物やサービス、顧客対応、プロモーションツールなど「すべて」に落とし込み守ることで「スタイル」が生まれます。スタイルが明確なるということは、「らしさ」=個性が明確になるということです。
明確になればなるほど、同じ価値観を持つ層には「とっても好き」「これこそが欲しかった」と共感・感動してもらえる確率が高くなります。
つまり、スタイルを明確にするほど、自社の「理想の顧客」が集まるようになります。■オーナーの暮らしを
そんな「理想の顧客」の暮らしと建物をそのまま見せるのが、最も簡単で効果的なコト売り型のプロモーションです。
これによって、自社のスタイルと、それに共感し家を建ててくれた・リフォームしてくれたオーナーのライフスタイルを同時に伝えることができます。手法としては、工務店さんが実践されている「オーナー宅見学会」やオーナーを招いての勉強会がその代表です。ウェブやパンフレットなどに載せる「お客様の声」や「事例」も同様の効果を発揮しますが、やはりリアルな見込み客とオーナーとの接触機会をつくるほうがより効果的でしょう。
建物のスペックやそれを実現する工法や設備の内容をいくら伝えられても、見込み客が「なりたい未来の私」や「幸せ」な暮らしをイメージすることは難しい。というか、イメージできないでしょう。
ですが、オーナーの暮らしぶり、「らしく」住まわれている建物を何軒も見ていくと、見込み客は「なりたい未来の私」や「幸せ」な暮らしのイメージを膨らませていきます。
それと自社のスタイルが一致してくれば「とっても好き」「これこそが欲しかった」という共感・感動につながっていきます。
紋切り型ではありますが、基本的にはこんな感じではないかな、と考えています。
「スタイル」というのは大事です。
スタイルとは、ここで書いているように、「経営者・会社の価値観や経営哲学、美学、アイデンティティを反映した生き方」だというのが僕の理解で、スタイルで勝負するのが理想です。
生活者も、自身のスタイル(ライフスタイル)に合いそうな、もしくはそれを実現してくれそうなスタイルをもつ会社を選びます。
ひらたく言えば価値観が合うということですが、それには価値観を発信し、また啓蒙(教育)していくことが大事で、それが「旗を掲げる」ということだと思っています。
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