日本木造住宅耐震補強事業者協同組合(木耐協、東京都千代田区)はこのほど、木造住宅の耐震性と屋根の重さの関係について集計・分析を行い、その結果を発表した。
調査対象とした住宅は、1950年〜2000年5月までに着工された木造在来工法2階建て以下のもので、木耐協で実施した耐震診断結果の詳細が把握できる2万4486棟。それらの建築年を5年ごとに区切り、期間ごとに屋根の重さ(仕様)別の割合と、耐震性の変化をまとめた。屋根の重さについては、「軽い建物」(石綿スレート板、鉄板葺)、「重い建物」(桟瓦葺)、「非常に重い建物」(土葺瓦屋根)の3段階に分類した。
その結果、築年数別にみる屋根重量の変化では、新耐震基準の施行以降、軽い屋根の割合が増加していることが分かった。「軽い建物」の割合は、新耐震基準施行前の1975年〜1980年で25.72%だったが、1996年〜2000年には66.71%まで増加していた。
屋根の重さと評点(耐震性)との関係では、屋根が重くなるごとに耐震性が2割低くなることが分かった。平均評点は「軽い建物」が0.679、「重い建物」が0.524、「非常に重い建物」が0.415となり、最大で4割の差がみられた。また、年代別と屋根の重さ別の平均評点の変化では、築年数に限らず、屋根が重いほど耐震性が低く、耐震改修の必要性が高いことが分かった。
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