地盤調査、地盤保証の地盤ネット(東京都中央区)は、今いる場所の地盤の安全度をリアルタイムで表示するウェブサービス「じぶんの地盤アプリ」の提供を8月から開始した。生活者に地盤への関心をもっと持ってもらうのが狙いだ。生活者向けのプロモーション活動も強化していく考えだ。
新サービス「じぶんの地盤アプリ」は、目に見えない地盤の安全性を一般に公開するウェブサービスだ。スマートフォンのGPS機能を使い、今いる場所の地盤の安全スコアを100満点の評価と、「緑」(安全)「黄」(少し危険あり)「赤」(危険あり)の3段階の評価で視覚的に確認できるのが特徴。
評価軸は、同社が行ってきた地盤改良の判定結果をもとに割り出した「地盤改良率」のほか、公的データを基に割り出した「浸水リスク」「地震による揺れやすさ」「液状化リスク」「土砂災害リスク」の5項目。それぞれ5段階でスコア(最高20点から5点刻みで最低は0点)を配分し、100点満点の合計スコアで総合判定を行う。
スマートフォンのブラウザを使うもので、専用アプリのダウンロードは不要。移動するとリアルタイムで地盤の安全度がわかる。自宅や職場だけでなく、通勤や通学に使う経路の地盤の安全性をその場でリアルタイムに確認できるのが特徴だ。
「地盤情報は一般にはあまり公開されていない。不動産会社も積極的には提供してこなかった」。そのため駅に近い場所は地盤が弱い土地であっても宅地として高額で取引されるケースが多い。こうした土地に建てられた住宅は地震が起きたら大きな被害が出る可能性が高い。「じぶんの地盤アプリ」を使って、安全な土地の購入につながれば、地震の際の被害を抑えることができる。生活者を誘導するため、地盤ネットでは、地盤の安全性が高ければ、同社が提供する地盤保証にかかる費用を安くするといったインセンティブの取り組みも進める考えだ。
このウェブサービスの開始に合わせて、プロモーション活動にも力を入れている。
8月14~16日、東京スカイツリーで地盤に関するプロモーションイベントを開催した。また、東京・荒川区の中学校と連携して地盤に関するワークショップの開催も進めている。
「地盤への関心が高まり、建て替えや住み替えにつながれば、地震の際の被害を軽減できるだけでなく、業界的にも需要創造につながる。関連する事業者とも連携して大きな動きにしていきたい」(山本社長)
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