工務店業務に特化した基幹システム『AnyONE(エニワン)』を採用する会社が増えている。最大のポイントは、実務での使いやすさ。これまで社員がバラバラに管理していた情報を「社内ノウハウ」として共有・活用したいと考えているなら、ぜひ注目してほしいシステムだ。開発・販売を手がけるナカザワ建販(大阪府岸和田市)の中澤秀紀氏に話を聞いた。
口コミで利用者が増えている
『エニワン』は、国土交通省の「第1回 長期優良住宅先導的モデル事業」の採択を受けて2008年から開発に着手した、中小工務店・ビルダー向けの基幹システム。
これまで宣伝活動をほとんどしてこなかったにもかかわらず、口コミや紹介でユーザーを増やし、2010年の提供開始からすでに2000社以上が導入している。
個人の情報を「会社のノウハウ」に
『 エニワン』で何ができるのか。ざっくりと言えば、新築・リフォーム事業に係るほぼすべての業務-顧客管理、工事管理、工程表、見積、実行予算、発注、支払い、請求、入金、アフターメンテナンス、写真、図面の一元管理が可能になる。社外で行う攻めの営業も、社内でやるべきデータ整備も、1つのシステムでまかなうことができる。
同社・エニワン事業部部長の中澤秀紀さんは、「このシステムを使って営業力と経営体質を強化し、勝ち残る工務店になってほしい」と話す。「なぜなら、新築→メンテナンス→リフォーム→中古住宅売買と、顧客生涯価値を最大化する必要がある今後は、いままで社員がそれぞれに保管していたコマ切れの情報を共有し、“会社のノウハウ”として持続的に管理・活用する時代になるからです」。
こだわったのは実務での使い勝手
実務での使いやすさはとくに高く評価されている。
「当社はグループ会社を含めると、建材販売、プレカット、建築、リフォーム、不動産、設計、断熱といくつもの住生活関連事業を手がけており、工務店さんのホンネ、業務の裏表を知り尽くせる立場にあります。そんな我々が『こういう機能があったら便利だろうな』『こういう使い方ができたら楽になるだろうな』という視点から、実務で使えることにとことんこだわって開発しました」。
まず、だれもが使い慣れているエクセルのような操作感を実現。よく使う見積や実行予算の明細入力はコピー&ペーストで省力化が可能だ。
顧客管理には、「カスタマイズタブ」を設定し、管理したい項目を自由に増やせるようにした。このため、それまで使っていたフォーマットと同じようにカスタマイズすれば、旧データを簡単に移設し活用することができる。
ほしい情報を導き出すのも簡単だ。営業なら分析帳票作成やDM 送付に必要なデータが、工事なら特定の協力業者・職人のスケジュールが一発でわかる。
何よりも、社内で情報を共有することで、社員が不在だったり、休職・退職しても、混乱を避けられる。これは大きなメリットだろう。
入力の煩わしさが最小限に
また、入力の煩わしさも徹底的に排除した。たとえば、同じ名前や住所が入力されると、重複を知らせてくれる。日報に書き込んだ内容は、自動的に顧客管理や工事情報と連動するため、同じ情報の二度打ち、三度打ちが防げる。
さらに便利なのが、基幹システムでありながらその会社のやり方や現場の状況に合わせて融通がきくところだ。
どういうことか。「この手のシステムは、Aを入力しないとBに進めず、Bに進めなければ当然Cにも行けないというケースが多いのですが、『エニワン』はAの基本情報さえ押さえておけば、いきなりDやEに行けるよう設計されています。実際の現場管理の場面では、見積→実行予算→発注という手順を踏まないケースもザラにあるのに、従来型のシステムはそれを許してくれなかった。でも『エニワン』ならできます。この臨機応変なところも高く評価していただいています」。
毎月使いやすさが上がっている
さらに、こんな使い方もできるようだ。「見積や工程表などの各種機能は『単体で使っても他社さんのシステムよりも使いやすいものを』という意気込みで、1つ1つをかなりマニアックにつくり込んでいるので、業務に合わせて使いたい機能をチョイスし、段階を踏んで一元管理を進めていく手もあります」と中澤さん。
驚いたことに『エニワン』は、毎月3~4項目のバージョンアップを欠かしたことがないという。
「ユーザーさんからは、ここをこんなふうに変えてほしいといった要望が毎日届きます。我々はそれを1つずつ吟味し、優先度の高いものを選んで改善を繰り返しているんです。それに加えて、半年~1年に1回は大規模な開発も必ず実施しているので、使いやすさは毎月・毎年上がっています」。
「かゆいところに手が届くシステム」と評価する声が多いと言うが、それも改善のたまものだ。
「一生開発し続ける」
初期費用は各種作業費として25万円。利用料はサポート・バージョンアップ込みで月3333円/台~(3ライセンス)と、コスパもいい。
すでに導入しているのは、社長1人で切り盛りする会社もあれば、社員100人規模の会社もあるという。規模を問わず活用できるようだ。
『エニワン』というネーミングには、「だれでも簡単に使えるシステムをつくりたい」という同社の並々ならぬ願いが込められている。
「じつはこのシステムは『世の中に喜ばれるもの、貢献できるものを広めたい』という弊社代表取締役会長・中澤伸文の一声が出発点なんです。そうした経緯があるため、採算性を度外視してでも工務店さんのお役に立つシステムを一生開発し続けると決め、日々取り組んでいます。1度デモをみていただけたら、我々の言っていることが本物だとわかってもらえるはずです」。
『AnyONE(エニワン)』に関するお問い合わせは、
ナカザワ建販株式会社 エニワン事業部
TEL.06-6265-2311
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