野村総合研究所(東京都千代田区)は6月7日、2018~2033年までの空き家数・空き家率(総住宅数に占める空き家の割合)、および2015~2030年までの既存住宅(新築以外の住宅)流通量の予測を発表した。
同社の予測によると、既存住宅の除却や、住宅用途以外への有効活用が進まなければ、2033年の総住宅数は約7130万戸へと増大し、空き家数は約2170万戸、空き家率は30.4%へと、いずれも上昇する見込み。
既存住宅流通量については、同社が2000年~2015年の各年における住宅購入者(日本全国の25~59歳の男女9204名)を対象に実施したアンケート調査で、既存住宅を購入した世帯の比率が2005年の18%から2015年の29%に増加した傾向を踏まえ、2025年に31万戸、2030年に34万戸へ増加すると予測している。
同社はこれらの予測をふまえて、人口・世帯数減少時代に既存住宅流通をさらに活性化させていくためには、「移動人口」の拡大(移住・住替え・買替え等)が重要と指摘。(1)既存住宅の価値評価システムの整備、既存住宅やリフォーム向けローンの充実、(2)お試し移住や多地域居住等を促進する環境整備、(3)民間事業者による新規ビジネスの創造(移住・住替え・買換えサポートビジネスなど)の推進が求められると提言している。
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