3人のキーパーソンが説く「縮む時代の顧客育成法」
5月24日の東京を皮切りに全国5拠点で開催される「営業マンに頼らない顧客育成法セミナー」。ハーレーダビッドソンジャパン(以下:HDJ)元社長の奥井俊史氏(アンクル・アウルコンサルティング代表)、アトピッコハウス代表の後藤坂氏、新建新聞社代表の三浦祐成の3人がそれぞれの視点と経験から縮む時代の顧客育成法を具体的に説きます。オートバイ、ましてやハーレーには縁がなかったという方にとっても面白く、学びの多い時間になるはずです。
左:ハーレーダビッドソンジャパン元社長
アンクル・アウルコンサルティング代表
奥井俊史氏
右:アトピッコハウス株式会社
代表取締役社長
後藤坂氏
中:新建新聞社代表取締役社長
新建ハウジング発行人
三浦祐成
①オートバイと住宅には共通項が多い
オートバイと住宅は意外に共通項が多い市場です。
どちらもすでにピークを迎えた成熟市場であり、縮む市場である。扱う商品は高額で寿命が長く、顧客との関係性も長期にわたって続きます。
まちのバイク屋さんとまちの工務店さんも、規模や業態が似ていることに気付かされます。昔は6万社あるとされた工務店もいまは2万社。このうち年商3億円以上の会社は6000社ほどしかいません。
三浦
確かに似ています。昔4万社あったオートバイ屋がいまでは1万5000社ですから。
経産省のデータだとオートバイ屋の平均年商は4200万円。これに対しハーレー販売店は5億5000万円と圧倒的に高いのが特徴です。
奥井
ハーレーダビッドソンという大きなブランドがあったから実現できたのだろうと思われがちですが、奥井さんがHDJの社長に就任した1990年当時は、バブルが崩壊しデフレ不況が始まった一番苦しい時代。そんななかでコト売りマーケティングの実践、CRMの活用などで国産車の2倍の価格水準を維持しながら業界トップを走り続けてきました。
奥井さんのお話は縮む時代を生きるうえで大きな励みになりますし、地域の工務店さんが経営に活かせるヒントがたくさんあると思っています。
三浦
②新規客をつくる
オートバイの市場は、もう40年近くも縮小し続けています。とはいえ、「時代が悪いから、市場が悪いから売れません」は当然通用しません。じゃあ、どうするか。
HDJでは、既存顧客をいかに守るかよりも、新規顧客をいかにつくるかという視点でCRMを運用してきました。なぜなら、既存顧客のフォローだけでは継続的な成長は望めないから。
目に見えない新規顧客=潜在顧客との出会いの機会を自分たちでつくらなくちゃいけない。そこで考えたのが独自のイベントです。
奥井
◎お申し込み・詳しくはコチラ
営業マンに頼らない顧客育成法セミナー
https://www.s-housing.jp/archives/86751
③イベントで接点を
HDJでは全国の販売店が開催するものを含めると、年1000回ものイベントを開いて潜在顧客との接点を徹底的につくります。
このうちHDJ主導の大がかりなイベントは年35回ほど。ここで30万人の名簿を集めます。イベント開催の目的は新規顧客獲得のために来店頻度を上げることですから、アンケートのとり方1つ、DMの発送1つとっても、かなり工夫を凝らします。どんなに大規模になろうともイベント会社に丸投げせず、いっさいをHDJと販売店だけで取り仕切るのも特徴です。
集めた30万人分の名簿は、CRMシステムを使って「HOT客」(フォローすべき有力な潜在顧客)を判定し販売店と共有。最終的に約2万人を成約に導きます。30万分の2万をどう捉えるかは人によるでしょうが、悪くない成果だと思います。
奥井
④フォローポイントの多さを活かす
建材メーカーの立場からみると、ほとんどの工務店さんは目の前の「いますぐ客」には一生懸命だけど、「これから客」やOB客はほとんどフォローできていないように感じます。忙しいのはよくわかるのですが、とてももったいない。年間の新築棟数がせいぜい2~5棟というところでも、これから客をちゃんとフォローすれば受注が安定するし、そこが改善すれば経営が大きく変わりますから。
今回、HDJのCRMをお手本に、工務店さんに特化したCRMシステムをつくりました。いますぐ客、これから客、OB客を早い段階で振り分け、工務店さんに替わってDMやニュースレター、点検通知などを送ってフォローし続けるというもの。そうやって接点をつくっておけば、営業パーソンがいない会社でもこれから客やOB客の依頼を取りこぼさずに済みます。
後藤
オートバイよりも住宅のほうがCRMのフォローポイントははるかに多いので、1件1件は少額でも数年後に大きな収益を生む仕事になる。面白い取り組みだと思います。
奥井
⑤楽しさで大手に勝つ
HDJが先駆的にやってこられたコト売り、ライフスタイルマーケティングにも参考にしたいポイントがたくさんあります。
三浦
ハーレーは社会的実用性がないオートバイです。その証拠に、蕎麦屋や郵便配達でハーレーが使われることはないでしょう?実用性がないものを売りたいと思ったら、それとは別のコトを訴求する必要があります。
ハーレーの存在意義は楽しさ。乗って走る楽しみだけでなく、関連アイテムをコレクトする楽しみ、ハーレーファッションを着て見せる楽しみ、海外の文化・歴史を肌で感じる楽しみ…いろいろあります。そういう顧客のニーズを満たすためにあの手この手を尽くしてきました。
私たちのライバルは、ホンダ、カワサキ、スズキ、BMWとなんせ巨大ですから、その市場で勝ち抜くためには他ができないことをやるしかありません。
面白いことに親会社の規模がどんなに大きくても、地域の販売店の規模やレベルはそんなに変わらないんです。オートバイ業界では、圧倒的に優秀な販売店が育てば、圧倒的な力になります。ブランドがあり、利益を確保できれば後継者が育ち、次の時代に生き残ることができる。
もしかしたら住宅業界も同じようなことが言えるかもしれません。
奥井
3人のキーパーソンから、「そのうち客」を受注に結びつけるノウハウの一部を紹介してもらいました。今回のお話は、東京・大阪・名古屋・博多・仙台の全5会場で開催される「営業マンに頼らない顧客育成法セミナー」にて詳しくご講演いただきます。
各会場限定20名様。満席間近の会場もございます。お早めにお申込みください。
◎お申し込み・詳しくはコチラ
営業マンに頼らない顧客育成法セミナー
https://www.s-housing.jp/archives/86751
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