免震装置・制震ダンパー・転倒防止器具を手がけるアイディールブレーン(東京都千代田区)は、世界初の「金属流動」を利用した次世代型木造住宅用制震ダンパー「ミューダム」を販売している。地震時に伸び縮みして金属流動し、地震エネルギーを熱エネルギーに変換し、揺れを減らすことができるもので、高減衰ゴムや、オイルを使用した制震装置と比べて、気温や揺れの速度の変化に影響されず、安定した性能を発揮する。
同製品は、本体重量が約7kgと軽量なことから一人で楽に施工が可能。ダンパーを固定するビスも46本と少なく、1基当たりの施工時間は15分程度。素材はすべて金属であり、防耐火面での問題はない。
また、耐力壁として壁倍率(2.2倍、2.3倍)の国土大臣認定を取得しており、在来木造軸組工法で使用し、筋交いを減らすことができる。材料は鉄骨住宅と同様の手法で60年以上の耐久性が確認されているという。保証期間は、製品の瑕疵に対して設置後10年間となっている。
地震への対応では、性能が速度に影響されないため、長周期地震・短周期地震のどちらにも対応する。同社によると、京都大学防災研究所において兵庫県南部地震規模の揺れで振動実験を行った結果、従来の木造筋交いのみの場合と比べて建物の変位量を85%低減させることができたという。また、防災科学技術研究所で実施した実物大振動実験(2階建て木造住宅)でも、同様の性能が発揮され、特に2階部分の揺れ幅は、80%の低減が確認されたという。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。