パナソニック(本社大阪府門真市)は31日、2016年度の事業方針を発表した。住宅分野を「1兆円戦略投資を継続させる」高成長事業と位置づけ、長期的な展望で力を入れていく方針だ。
同社では大きく家電、住宅、車載、B2Bソリューション、デバイスの5つの事業領域があるが、2016年度はこのカテゴリーを再編。家電、住宅、車載、B2Bソリューションの4分野にし、それぞれにデバイス分野が加わる形に変える。高成長事業にリソースを集中するためだ。
住宅分野も「1兆円の戦略投資を継続させる」高成長事業に据え、国内のリフォーム、エイジフリーのための拠点を拡大する。また、アジアで現地のデベロッパーとの提携を進め、まちづくり事業を加速させる計画だ。
2015年度を振り返ると、住宅事業の売り上げは1.3兆円となる見通し。利益率は「市場が戻りきらなかった」(津賀一宏社長)と評価しながらも、4%台にはなるとした。
2018年度には「2兆円の目標、1.6兆円の見通し」まで売り上げを増加させる計画。これはリフォーム拠点拡大で「相当の人員数の増加」など、すぐに結果の出ない投資を想定するためとした。
会見した津賀一宏社長は、これからのパナソニックが目標にする姿を「お客様への『お役立ち』を創出し続ける会社」と改めて位置付けた。「お役立ちの対価」として収益がある(=中期的展望)との理解を再度共有し、「将来への継続的な利益創出」「利益を伴った成長」(=長期的展望)につながる理念として掲げる。
グループ全体としては、2016年度の売上目標に7兆5000億円(前年とほぼ同じ)、営業利益3750億円(利益率5.0%)の計画。営業利益率については、米ハスマン社買収などを理由に2015年度の5.4%より減益になると予想するが、将来の売り上げにつながる先行投資としての「仕込み」が16年度も続くため、「意思を込めた減益だ」(津賀社長)と力を込めた。
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