内閣府は3月18日、感震ブレーカーの普及に向けた取組状況についてまとめた報告書を公表した。同報告書は、2015年3月に作成された「大規模地震時の電気火災発生の抑制に関する検討会報告書」の提案などから、普及に向けて進められてきた先進的な取組を紹介するもの。
普及に向けた自治体等の取組事例では、横浜市、杉並区、神奈川県などの補助制度創設や地域一括導入等の取組を紹介したほか、不動産賃貸事業者における取組として、賃貸不動産事業会社のレオパレス21(東京都中野区)が、東日本大震災以降、賃貸住宅物件の防災・耐震性の強化オプションの一つにコンセントタイプの感震ブレーカーを追加し、これまでに約1万室に設置したことを取り上げた。
「地震時等に著しく危険な密集市街地」等を抱える埼玉県川口市、東京都世田谷区、神奈川県茅ヶ崎市の3地域をモデル地域として2015年9月〜2016年1月に実施したモデル調査については、(1)簡易タイプでも、約3割の人が自分で設置できなかった、(2)感震ブレーカーの作動に伴う不安として、冷蔵庫が停止してしまうこと(約6割)、照明が消えてしまうこと(約6割)と答えた人が多かった、といった結果を紹介した。
また、同モデル調査を受けた今後の課題として、(1)住民、住宅・不動産関係団体等への普及・啓発活動の継続・実施、(2)地域一体となった取組みの推進(地域が一体となった設置の支援、内線規程の改定に伴う取組の充実等)、(3)出火の危険性の低い照明等への通電継続など、防災性向上と居住者ニーズの両立が可能な機器の提案支援等、を挙げた。
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