大成建設(東京都新宿区)は3月3日、地震時に液状化する地盤の変形を簡易に予測するための3次元静的解析手法を開発したと発表した。2次元静的解析プログラム「ALID」の液状化による地盤変形解析機能を、汎用3次元解析プログラム「FLAC3D」に組み込み、液状化する地盤の変形を簡易に予測できるように機能拡張したもの。この解析手法の適用により、建物の沈下を高精度で短期間に予測することが可能となる。
東北地方太平洋沖地震での近接した戸建住宅の被災事例解析では、同解析手法の適用によって住宅の傾斜角や沈下量など実際の被災状況を再現しており、その有効性が確認できたという。
同解析手法の特長として、(1)より安全で効果的な液状化対策を選定できる、(2)地盤や地震動などに関して詳細な情報に乏しい計画・基本設計段階から適用できる、(3)設計の際、対策法や仕様の検討期間を従来の3次元動的解析手法と比較して大幅に短縮できる、の3つのメリットをあげている。
今後は、液状化に伴う地盤変形の簡便な予測ツールとして、臨海部のプラント工場等での液状化対策の検討などに適用するほか、大規模な地盤変状や地下水の影響を適切に評価することによって、予測精度のさらなる向上を図る。
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