LIXIL(東京都千代田区)は2月23日、トイレ汚れの4大原因(キズ汚れ・細菌汚れ・汚物汚れ・水アカ汚れ)をすべて解消できる衛生陶器技術「アクアセラミック」を開発したと発表した。便器に採用した場合、便鉢の流水面に関してはほぼ掃除が要らなくなるという。4月から住宅用トイレ「サティス」を皮切りに、洗面化粧台やトイレ手洗いにも展開していく。
防汚の働きを担う特殊な物質をやきものの釉薬と一体化させることに成功。表面を別の防汚素材で覆う方法だと経年によりコーティング材がはがれて徐々に防汚機能を失ってしまうが、新技術はその課題を解決した。「キレイが100年つづく」とする。
大きな特徴の1つが陶器表面の「超親水性」だ。汚物汚れは便に含まれる油分が原因であるため、洗浄水だけで洗い流すことが難しかった。アクアセラミックは汚物の下に洗浄水が入り込んで水の力だけで油汚れを浮かして洗い流すことができる。
さらに「水酸基(OH-)が露出しない構造」も特徴の1つ。水アカ汚れは洗浄水に含まれるシリカと陶器表面の水酸基が化学結合することで発生するが、水酸基を露出させないことで水アカの発生そのものを防ぐことを可能にした。
有代匡副社長/LIXIL Water Technology Japan CEOは「汚物汚れには親水性が、水アカ汚れには撥水性が必要だが、この相反する問題を一挙に解決するのが難しかった。アクアセラミックは、トイレの4大汚れをシャットアウトできる世界初の衛生陶器」と話す。
●超親水性がわかる実験
(1)アクアセラミック表面に油性インクでスタンプ
(2)その上にスポイトの水滴を垂らす
(3)水だけで油性インクが浮かび上がってくる
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