国土交通省は、「町屋等再生・活用ガイドライン」を策定、公表した。伝統工法による木造建築物を都市再生や地域活性化に役立てるための指針としての位置づけ。
このガイドラインは、国の「都市再生プロジェクト」が「町屋などの再生・活用に向けた取り組みを強化する」と決定したことを受けてまとめたもの。
まず、建物の老朽化、地震・火災などに対する安全性の問題、バリアフリー化の遅れといった町屋の再生・活用に向けた課題を指摘。そのうえで、「問題の多くは、適正な改修、用途変更などで解決が可能」とし、「建物の実態調査を踏まえ、必要となる改修内容を検討すべきだ」としている。
また、障壁となるコストについても「市町村などの各種支援制度を有効に利用すべきる」との考えを示している。
また、個々の町屋の再生・活用を促進するだけでなく、「街並みと調和した電線類の地中化、舗装の美装化、駐車場などの公共空間の整備も複合的に進めることも有効」と述べている。
このガイドラインに法的な影響力はないが、国交省では「地方公共団体や住民団体に、町屋を生かしたまちづくりを進めるうえで参考にしてほしい」としている。
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