エヌ・シー・エヌ(東京都港区)が手がける耐震構造SE構法は、従来、鉄骨造やRC造において主流だったラーメン構法を日本の木造住宅に取り入れたもの。「地震は来るもの」という予測のもとで構造計算を実施し、木造住宅に必要な耐震性を確保することで、地震の揺れや風の力に耐えうる性能を持った「安全・安心」な住宅づくりを実現している。
構造計算は、住宅の構造を構成するすべての部材の強度を把握し、基礎や構造部材、接合部の強度が一定の基準値を満たした上で可能になる。SE構法では、一定の強度が保たれた集成材を採用。柱や梁に使われる集成材では、含水率15%以下、MSR(Machine Stress Rated)による強度試験をクリアしたものを使用する。また、ホルムアルデヒドの放散量がほとんどない、JAS認定「F☆☆☆☆」等級の安全な集成材を採用している。
また、SE構法では全棟で「Sボルト」を用いる。Sボルトは、従来の金物工法の欠点を克服するために開発された特殊なボルトで、表面に凹凸加工を施し、木材にねじ込むことによって、引張剛性を格段に向上させたもの。Sボルトと高強度のSE金物を組み合わせることでラーメン構造を実現し、さらにこれらが柱と梁の接合部にしっかり食い込み、定着することで、木の収縮に対しても剛性を確保できるようになる。
同社には、木造住宅の構造計算において国内最大件数の実績を誇るスペシャリストが在籍し、SE構法の構造計算を手がける。すべてのSE構法による構造躯体には「SE住宅性能保証書」が発行され、構造躯体に問題が生じた際の瑕疵保証は完成引き渡し後最長20年間行われる。この瑕疵保証は、最初の1棟以来1度も実行されていないという。
SE構法が想定する地震は、通常の揺れを遥かに超える「大地震」を含んでおり、専門機関による「構造評定」も取得。東日本大震災では、SE構法によって建てられた建築物の地震による倒壊はゼロだったという。
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