国土交通省は、住宅金融公庫の「フラット35」(新型ローン)で、一定以上の耐震、省エネ、バリアフリー性能を持つ住宅の金利を当初5年間、0.3%優遇する。開始時期については検討中だが、17年度予算で予算化されていることから、早ければこの4月にもスタートする。
フラット35は、これまで「新型住宅ローン」などと呼ばれていたもの。このほど一般から新名称を公募、フラット35に決まった。公庫が民間金融機関のローン債権を買い取り、証券化して投資家に販売することで、35年の長期固定ローンを実現する。現在約200の金融機関が取り扱っている。金利は取扱機関で自由に決めることができる。1月の金利幅は2.23%〜3・59%。平均金利は2・82%。今回の優遇は、各機関の提示金利から0.3%を優遇する。
公庫はこれまで、仕様書や割増融資などを通じて住宅の質的誘導機能を担ってきた。だが公庫は18年度中に直接融資を廃止し、民間の証券化支援を主業務とする独立行政法人に移行する。今回の高性能住宅への金利優遇は、これをふまえた動き。直接融資廃止後も、フラット35を通じて高性能住宅への誘導を進めるのが狙いだ。
耐震性、省エネ性、バリアフリーについて一定以上の性能があるかどうかを判断するものさしとして、住宅性能表示制度の活用を検討している。「詳細は未定」(国交省)としながらも、これらの3項目で一定の等級以上をもつ住宅に優遇金利を適用する線で調整中だ。
住宅性能表示制度はマンション、戸建て分譲では普及が進んだが、戸建て注文ではまだまだ。金利優遇との連動によって制度の普及を進めたいという思惑もある。
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