国土交通省は、住宅やビルの「グリーン化」を進めるため、既存建築物向けの「CASBEE」(キャスビー:環境性能評価システム)を作成する。あわせて第三者機関による認証制度など既存建物のグリーン化施策も検討していく。
「CASBEE」は、国交省が支援する産官学共同の「日本サステナブル・ビルディング・コンソーシアム」(建築物の総合的環境評価研究委員会、委員長・村上周三慶応大学教授)が開発した、建物のLCA(ライフサイクルアセスメント)を評価するシステム。
LCAとは、建材の原料採掘段階からの建物の製造段階、建物の使用段階、廃棄段階までの一生(ライフサイクル)を通じた環境負荷を総合的に評価(アセスメント)すること。CASBEEを使えば、建物のLCAを(ある程度)簡単に把握でき、消費者にも環境配慮のメリットを分かりやすく示すことができる。このため、建物のグリーン化促進の起爆剤として注目を集めている。
CASBEEは、新築版がほぼ完成し試用段階に入っている。名古屋市では、CASBEEをベースに、名古屋市環境配慮制度の届出用として「CASBEE名古屋」を開発、運用を始めている。
今後国交省では既存建物用のバージョンの開発を進め、グリーン改修の効果を簡単にシミュレーションできるようにする。
あわせて、地方公共団体がCASBEEを活用する場合の支援策や普及方法、評価技術者の育成方法、第三者による認証制度なども検討する。
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