国土交通省は12月14日、住生活基本計画の見直しを進める有識者会議で、新たな計画の骨子案を示した。新計画は、目標を(1)居住者の視点、(2)住宅ストックからの視点、(3)産業・地域からの視点-の3つのカテゴリーに分けて整理し、計8つの目標の枠組みを設定した。
新しい計画の対象期間は2016年度~2025年度の10年間。
居住者の視点の目標案としては、出生率の向上に貢献する住生活の実現、高齢者が自立して暮らすことができる住生活の実現、住宅の確保に特に配慮を要する者の居住の安定の確保を挙げた。
住宅ストックからの視点の目標案では、いわゆる「住宅すごろく」に変わる新たな住宅循環システムの構築や、建て替え・リフォームによる安全で質の高い住宅ストックへの更新、急増する空き家の活用・除却の推進の3つを示した。
産業・地域からの視点では、強い経済の実現に貢献する住宅関連産業の成長と住宅地の魅力の維持・向上の2つの目標案を示し、コンパクトシティーなどのまちづくりとの連携を進めていく考えだ。
安倍政権は新たな施策方針として子育てや介護の支援体制の強化を打ち出しており、同日提示された案は、この安倍政権の方針を色濃く反映した内容となった。
これに対して委員からは、各目標の間には強弱の差はないということを明示したほうがいいという意見も出された。
次回は来年1月22日に開催する予定で、パブリックコメント(意見募集)にかける案を検討する。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。