国土交通省は、15年度住宅需要実態調査の速報値をまとめた。今後住み替えや住宅改善などの「予定がある」と答えた世帯は全体の19・8%で、5年前の前回調査と比べて2.2%下回った。改善予定の内容を見ると、リフォームが37%で前回調査比13・1%増、新築は10・3%で同3.3%減った。
住宅需要実態調査は、住宅および住環境に対する評価、住宅建設や住み替えの実態・意向などについて調べるもの。昭和35年以降おおむね5年ごとに実施されている。今回は、15年12月1日(時点)に10万世帯を対象に行われた。今回発表されたのはその速報。最終報告は6月末に発表される予定。以下に速報値の概要をまとめた。
■不満は改善
現在住んでいる住宅については、「非常に不満」「多少不満」を合せた不満率は42・1%で、10年に行われた前回調査の47・6%と比べてマイナス5.5ポイントと大幅に改善。住宅の質の向上をうかがわせる結果となった。
建物だけでなく、街の景観や教育・医療施設の充実度なども含めた住環境全体の不満率も、前回の34・2%から28・3%へと大幅に改善している。
■リフォームブーム
これを反映してか、新築・建て替え・住宅購入・リフォームなど住み替え・改善について「意向がある」と答えた世帯は19・8%で、前回よりも2.2ポイント減った。
ただし、「改善意向がある」と答えた世帯の改善内容の内訳をみると、一番多いのは「リフォーム」で、37・0%。前回からプラス13・1ポイントと大幅に増えており、リフォームブームを裏付ける結果となった。逆に「新築」の回答は13・6%から10・3%に、「建て替え」は13・6%8.6%に減った。この傾向について国土交通省では「新築一辺倒からストックの有効活用にシフトしつつある結果」と分析している。
■多い水回りの改修
この5年間で実際にリフォームをした世帯は、全体の9.7%あった。その工事の内訳(複数回答)は、「台所・浴室などの設備の取替え」が46・2%と最も多く、「内装の模様の模様替え」(34・7%)、「屋根・外壁」(33・0%)と続く。
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