健康・省エネ住宅を推進する国民会議(大阪府四條畷市、上原裕之理事長)は11月29日、滋賀県彦根市で「健康・省エネシンポジウムin滋賀」を開催。一般消費者を含め約250人が参加した。
基調講演した首都大学東京の星旦二名誉教授は「生活習慣が健康を規定するわけではない。それはあくまで結果」と指摘。むしろ好ましい生活習慣を支える家庭や家族、居住環境、またそれらを成り立たせる所得や学歴といった要因にもっと目を向けるべきと説いた。
星名誉教授によると、健康寿命に最も寄与するのは個人の夢や生きがい。「きょういく(今日行く所がある)」「きょうよう(今日用事がある)」という言葉を紹介し、積極的な社会参画を支える家族力、その背骨をつくる住居や労働、教育などの地域環境を見直す必要性を強調した。
同じく基調講演した岐阜県立森林文化アカデミーの辻充孝准教授は、断熱の効果と意味を整理して解説。「省エネ基準レベルまでは健康が主眼。さらに性能が高まるにつれ省エネにウエイトが移ってくる」といい、住宅計画の際には①建物の基本性能②ライフスタイル③各種設備機器の効率④再生可能エネルギーの順で対策や工夫を考えるよう促した。
基調講演の後は両氏と滋賀県立大学の松岡拓公雄教授、びわこ成蹊スポーツ大学の嘉田由紀子学長、びわこ健康・省エネ住宅推進協議会の中山邦夫会長、同協議会の西田武史代表理事をパネリストに迎え、上原裕之理事長をコーディネーターにディスカッションを行った。
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