国土交通省と警察庁、建物部品関連団体などによる「官民合同会議」(防犯性の高い建物部品の開発・普及に関する官民合同会議)は、ドアや窓、シャッターなどの建物部品15種類約2300品目を「防犯性能の高い建物部品」として公表した。
官民合同会議は昨年3月に基本的な方向をまとめ、10月から防犯性能試験を行ってきた。
防犯性能の高い建物部品として認定して公表したのは囲みの品目。リスは、国交省、警察庁、住まいの情報発信局のホームページなどで公開する。
試験は、バールやドリル、ピッキング用具、特殊工具などを使った実際の犯罪手口で攻撃して個別の製品ごとに防犯性能を調べ、窃盗犯の侵入を5分以上防ぐことを確認して行った。
官民合同会議ではあわせてサッシなどについて防犯性能の基準書を作成した。今後サッシ以外の部品でも作成する。また試験自体は16年度も引き続き行う予定。共通のマーク表示なども検討する。国交省では、住宅性能表示制度の基準に防犯性能を導入できないかをあわせて検討している。
[新制度の影響]
防犯配慮をうたう建材やカギなどが増えているが、実際には期待したほど防犯効果を発揮しないものもある。今回公表された部品は一定の基準をクリアしたものとして安心して提案できそうだ。
注意したいのはこれらを使ったからといって侵入犯罪が100%防止できるわけではないこと。部品を「認定」ではなく「公表」レベルにとどめた理由はここになる。顧客説明の際にも気をつけたい。
■防犯性能の高い建物部品
▽ドアA種(戸建住宅用)389品目▽ドアB種(ビル・マンション用)511品目▽ガラスドア88品目▽上げ下げ内蔵ドア35品目▽ドア(引戸)19品目▽錠、シリンダー、サムターン117品目▽サッシ(引き形式)338品目▽サッシ(開き形式346品目)▽サッシ(上下形式)69品目▽ガラス51品目▽ウインドウフィルム20品目▽雨戸20品目▽面格子67品目▽窓シャッター89品目▽重量シャッター31品目▽軽量シャッター51品目▽シャッター用スイッチボックス40品目
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