住宅金融公庫は14年度個人住宅規模規格調査の結果を公表した。公庫のマイホーム新築融資を受けた住宅の平均工事単価は57万590円/坪/平米で、前年度比0.8%の減となった。また、省エネルギー住宅基準の適合率は69・1%で10年前の8.9%から約6割増えていることが分かった。
調査は、14年度中に現場審査に合格したマイホーム新築融資住宅4万7984戸を対象に行った。調査結果のポイントは囲みのとおり。
■高いプレハブ
全住宅の平均建築工事単価をみると、14年度は57万590円/坪で、5年前(平成9年)の調査時の60万260円/坪から2万9700円/坪安くなっている。ただし、10年前(平成4年)の調査時は38万4188円/坪だったため、平成9年ごろが単価的にはピークだったといえる。
また、在来木造とプレハブの14年度平均坪単価を比べると、在来よりもプレハブのほうが90万502円高い。同じく総建築費を比べると、プレハブのほうが410万円高い。同じ公庫融資物件でも、在来木造とプレハブではコスト・価格に依然大きな差があることが分かった。
■省エネ率低い在来
もうひとつ注目したいのは、省エネ住宅基準・バリアフリー住宅基準の適合率。10年前は全住宅で省エネが8.9%、バリアフリーが0.6%だったのに対し、14年度は省エネが69・1%、バリアフリーが66・1%にまで上昇した。この10年間で省エネ・バリアフリー化が急速に進んだことがうかがえる。
ただし、省エネの適合率については、プレハブ・2×4と在来木造の間には大きな開きがある。14年度でみると、プレハブが83・1%、2×4が85・4%なのに対し、在来木造は59・2%。在来木造の約4割は、省エネ基準すら満たしていないことになる。
■14年度調査結果のポイント
【1】平均住宅面積:137.2平米(41.6坪) [対前年度1.3平米減]
【2】平均敷地面積:276.4平米(83.76坪) [対前年度12.3平米増]
【3】平均建築工事費単価
*全住宅:17万2906円/平米(57万590円/坪)[対前年度1481円/平米減]
*在来木造:16万2785円/平米(53万7191円/坪)
*プレハブ:19万222円/平米(62万7733円/坪)
【4】平均建築総工事費
*全住宅:2369.6万円 [対前年度43.2万円減]
*在来木造:2229万円
*プレハブ:2639万円
【5】平均工期:112.7日(在来木造124.8日) [対前年度2.6日短縮]
【6】省エネルギー住宅基準適合率:69.1%(在来木造59.2%)
[対前年度1.0ポイント増]
【7】バリアフリー住宅適合率:66.6%(在来木造68.7%)
[対前年度1.4ポイント増]
■ 住宅金融公庫 TEL:03-5800-8000
【ホームページ】
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