積水化学工業(大阪市)住宅カンパニーの調査研究機関、住環境研究所(東京都千代田区)は、「良質な睡眠のための住まいのポイントを明らかにする」ことを目的に、江戸川大学社会学部教授福田一彦氏と共同で、「快眠住宅に関する実験」を行った。それによると、寝る前に部屋を暗くして過ごすと、入眠時刻・起床時刻ともに早まるという結果になった。
今回の調査は、快眠が得られる光環境の建築的条件を明らかにするため実邸レベルでの実験を実施したもので、寝る2時間前に過ごす空間の光環境について着目。通常の照明で生活をするグループ(11人)と、通常の照明から夜間にリビングの照明の照度を下げた住環境で生活するグループ(12人)に分け、照度と睡眠を記録し、被験者に対してアンケート調査を実施した。
寝る2時間前に、主にリビングの照度を50ルクス以下の電球色に変更したグループでは、変更なしのグループに比べ入眠時刻・起床時刻とも前倒しになった。変更なしグループは、入眠時刻は21分後退となり、変更ありグループは8分前進、起床時刻についても変更なしは24分後退し、変更ありのグループは10分前進となった。
光環境を変更したグループでは、夜間に50ルクス以下の環境で過ごすことについて、「最初は暗いと思ったが慣れれば問題はなかった」が58%で「暗すぎた」が42%。「普段より暗い環境で過ごしたことで良かったことがあったか」についても「良かったことがあった」が58%、「良いことは特になかった」が42%だった。
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