国土交通省の16年度予算は、国費総額で、前年度比3%減の6兆7436億円となった。うち、公共投資関係費は前年度比3%減の6兆1287億円。行政経費は3%増の6149億円。財政投融資は31%減の4兆5161億円で、それぞれ決着した。うち住宅局関連予算は、前年比6%増の1兆1052億9900万円。
今回は「メリハリの効いた予算編成」(国交省)が特徴。効果が高い「重点4分野」の施策を重点的に進める。重点4分野は、(1)個性と工夫に満ちた魅力ある都市と地方(2)公平で安心な高齢化社会・少子化対策(3)循環型社会の構築・地球環境問題への対応(4)人間力の向上・発揮(教育・文化・科学技術・IT)。
具体的には、羽田空港の再拡張事業など大都市圏拠点空港整備に30%増の879億円を計上するほか、合流式下水道緊急改善や床上浸水解消緊急対策、高齢者などの居住の安定確保、防災公園の整備、電線類地中化、地籍整備などに、前年度を上回る予算を確保する。
また、市町村が作るまちづくり計画全体を支援する「まちづくり交付金」や、良好な景観をつくる事業・調査を対象とする「景観形成事業推進費」を創設する。
住宅関連のおもな施策は囲みに挙げたとおり(詳細は次号で解説)。
[囲み]
●住宅市街地総合整備事業
●分譲改良住宅整備における調査設計計画費の補助対象への追加
●特定防災街区整備地区などにおける老朽建築物の建替えの促進
●21世紀都市居住緊急促進事業の重点化及び拡充
●マンション建替え円滑化の促進
●再開発会社施行の推進
●先導型再開発緊急促進事業の拡充・延長
●まちづくり交付金の創設
●既存ストックを利用した高齢者生活相談所の整備
●大規模住宅地区改良事業等における社会福祉施設併設の原則化
●住宅地区改良事業等における高齢者生活相談所の設置要件の緩和
●証券化支援事業の推進等による良質な住宅取得等の促進
●密集市街地整備促進のための出資金制度の創設
●土地有効利用事業促進のための出資金制度の拡充
●大規模地震に備えた耐震改修の促進等
●建設発生木材等を利用した高性能リサイクル木質建材の評価手法の開発
●環境共生住宅市街地モデル事業の拡充
■国土交通省 TEL:03-5253-8111
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