国土交通省は、ホルムアルデヒドなどの化学物質濃度について、14年度時点の実態調査結果を発表した。ホルムアルデヒドは、12年度・13年度調査と比べ、平均濃度、超過住宅(厚労省の濃度指針値を超過した住宅)の割合とも低下した。
調査は、室内空気中の化学物質濃度の現状を把握するために実施。これまでに12年度冬期、13年度夏期、14年度夏期、14年度冬期の計4回の調査を行った。測定物質は、ホルムアルデヒド、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレン、アセトアルデヒド。
■ホルムアルデヒド
調査結果を比べると、ホルムアルデヒドは、13年度夏期の平均濃度0・05ppmが、14年度夏期には0・043ppmに低下。超過住宅の割合も、13・3%から7.1%に減った。国交省では、調査は改正建築基準法シックハウス対策のスタート前であったものの、シックハウス問題が話題になったことで、「消費者の意識が高まり、建材の改善も進んだことが良い結果につながった」とみている。
ホルムアルデヒドについては、現在行っている15年度調査でも、さらに濃度・割合とも減少する見通し。また、改正建築基準法で規制対象となったため、今後数年のうちに「超過住宅はほぼゼロに近づく」(国交省)と言う。
■トルエン
トルエンについては、13年度夏期の平均濃度0・023ppmが、14年度夏期に0・017ppmに低下。超過住宅の割合は6.4%から4.8%に減った。
■その他
キシレン、エチルベンゼン、スチレンは、14年度調査で超過住宅がほぼゼロとなった。
今後は、改正建築基準法で換気設備の設置が義務づけられたことでさらに改善が見込まれる。このため国交省では16年度調査の結果を見極め、新たな対策を検討する。
■国土交通省 TEL:03-5253-8111
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