クラブヴォーバン(東京都港区)と環境・エネルギーなどの分野で先進的な取組を行う全国の5自治体で構成する「持続可能な発展を目指す自治体会議」は10月15日、都内で第2回会議を開催した。本会議では、立命館大学経営学部のヨルク・ラウパッハ教授をはじめ3人の講師によるレクチャーと、参加自治体である岩手県葛巻町の鈴木重男町長による報告が行われた。
ラウパッハ教授は「地域における再生可能エネルギーによる経済価値の創造」と題して、ドイツと日本の地域経済における事例分析を公開。日本の事例では、長野県飯田市のおひさま進歩エネルギーによる取り組みを紹介した。
その上で、持続的な地域経済の鍵は「地元の事業のオーナーシップ」であることを指摘。「地域の経済付加価値を高めるため、どうやって地元からの投資を募る工夫ができるかを考えることが大切」「地元の『お金』という資源を活用することが大事」と考えを述べた。
葛巻町の鈴木町長は、9年前の町長就任以来の取り組みとして、クリーンエネルギー事業、情報基盤整備、人口減少対策、若者定住・子育て支援など多岐にわたる動きを紹介。風力、太陽光、バイオマスのクリーンエネルギーによるエネルギー自給率では166%を達成したことなど成果を語った。
また、地方自治体から国政への提言として「日本は人口減少を初めて経験し、課題解決の方法も何もない状態。もう一回、地方に若い人を返して、地方が元気になる。そして地方で人口が増え、その何十年か後にまた都市に吸い上げる。そういう繰り返しをしていけばいいのではないかと思う」と考えを述べた。
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