経済産業省は10月1日、地域内外からの顧客が魅力的なサービスや空間設計等によりデザインされた「時間」を消費する(=「コト消費」)空間の創出に向けて、地域が活用できる手法を検討する「コト消費空間づくり研究会」の報告書を取りまとめて公表した。同研究会で取りまとめた手法の実践に向けて、来年3月を目処に、新潟県湯沢町、北海道倶知安町など、意欲的な地域のコト消費空間づくりを支援していく。
同報告書では、コト消費空間づくりの導入にあたって(1)適切な権限(公的な位置付け)と責任を持ったマネジメント組織、(2)網羅性、自立性、持続性を持った安定的な財源、(3)リーダーシップ、マーケティング能力などを持ったマネジメント人材、の3点が必要と指摘。その上で、地域協同システムのモデルを構築するため、意欲的な地域が先進的にコト消費空間づくりに取り組み、他地域に展開・波及させていくことが重要とした。
さらに、地域の特性を踏まえた専門人材の調達、合意形成手法の導入、税・分担金条例の設計・制定、インセンティブとなるハード整備やスタートアップの資金調達などを促進するための予算措置等、政府による施策を検討する必要があることを指摘。
目指すべきコト消費空間の将来像の実現に向けて、地域(自治体)が平等原則に縛られることなく、エリアを限定した集中的な再開発を行うことができるように、エリアからエリアへの資金循環・再投資を可能とするシステムを構築するため、更なる検討が必要とした。
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