宮城、岩手、福島の3県が応急仮設住宅の施工業者の公募をスタートする。地域のつくり手に門戸が開かれたほか、地域材を使った木造住宅もコストなどの条件を満たせば建築が可能になる。
応急仮設住宅は都道府県が発注、国が取りまとめてプレハブ建築協会が受注し、傘下の企業が生産・施工する。
ただし、今回は都道府県からの発注戸数が6万戸と膨大なうえ、用地確保が難航し建設が計画より遅れている。このため宮城県、岩手県、福島県ではこの従来のルートとは別に、仮設住宅の建設事業者の公募を行うことにした。
まず福島県が4月11日から18日まで公募を行う。
事業者の選定基準としては、応急仮設住宅の供給能力が100戸以上あること、7月末までに県が指定する土地で工事を行い入居者に供給できること、県内に本店のある建設事業者であること、過去3年の間に年20戸以上の戸建住宅または共同住宅の供給実績があることなどが挙げられている。
団体や共同企業体も応募可能で、その場合は代表者及び構成員が県内に本店のある建設事業者であることが条件となる(構成員の実績合計年30戸以上)。
公募分の建設戸数は4000戸前後になる見込み。20平米タイプ(1DK)、30平米タイプ(2DK)、40平米タイプ(2LDK、3K)の3タイプで募集する。30平米タイプの1戸当たりの販売契約価格は上限600万円程度、リース契約の場合は2年間で上限520万円程度とされている。
仕様は県の定める標準仕様に合致することが条件。ただし県では「仕様には幅を持たせているため、ある程度柔軟な提案が可能なはず。県産材を使った木造住宅にも道を開いている」と話す。「供給住宅の建設にあたり県産材の活用について十分配慮すること」との一文も盛り込んだ。
応募は所定の応募用紙による提案方式とし、県が設けた「福島県応急仮設住宅建設事業候補者選考委員会」が選定を行う。選定に際しては、供給能力や体制、価格のほか、供給住宅の性能・品質、県内企業の活用状況、被災者の雇用状況、県産材の活用状況も評価するという。
応募要項などはこちら 。
岩手県でも、現在県が募集要項を作成中で、今週末から来週頭にも県独自に建設事業者の公募をスタートする予定だ。
宮城県は、一般社団法人・すまいづくりまちづくりセンター連合会(東京)に公募の窓口業務を委託、県内外から建設業者を募集する。同連合会が事業者の選定基準や仮設住宅の標準仕様を設定、募集を行い、これらを満たした事業者を県に伝え、県が発注する流れになる予定。
こうした建設業者の公募と木造住宅による仮設建設については、林野庁が情報提供や資材供給の支援などでバックアップするほか、工務店団体の全建連(JBN・工務店サポートセンター)や全建総連も協力を申し出ている。
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