国土交通省の社会資本整備審議会・住宅宅地分科会は8月6日、来年3月の住生活基本計画の見直しに向けた勉強会を開催した。多様な居住ニーズの実現と豊かなコミュニティ形成をテーマに、3人の委員と外部識者が報告した。
齊藤広子委員(横浜市立大学教授)は、自身が携わった自ら価値を上げる住宅地づくりを紹介。そのうえで、住宅地をマネジメントする人材の育成などの重要性を訴えた。
奥山千鶴子委員(NPO法人子育てひろば全国連絡協議会理事長)は、横浜市の取り組みなどを紹介しながら、子育て支援の視点からの制度の整理の必要性を強調した。
末永照雄委員(公益財団法人日本賃貸住宅管理協会会長)は、賃貸住宅の長寿命化を促すために賃貸住宅の適切な修繕と適切な評価の必要性に言及。そのために修繕履歴の集積体制の構築と修繕積立金の損金算入制度の創設を提案した。
勉強会のための講師として招へいされた園田眞理子・明治大学教授は、今後10年が団塊世代の後期高齢化に備える最後の準備期間になると指摘。施設を中心とした対応には限界があり、地域単位でのケアの仕組み化が急務との見方を示した。市町村単位での「高齢者居住安定確保計画」の策定などを提言した。
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