田原祐子
その1:女性は「縦」のつながりより「横」のつながりを大切にする
女性スタッフの「特徴と傾向」を知ることが大切
男性の経営者や、上司などのマネジメント者の方々から、よく聞く悩みがあります。それは、「女性スタッフの扱い方が難しい」というもの。女性は、男性とは少々異なる特徴があるため、その傾向を把握することで、あらかじめ対処法を考えておくことができます(個人的には、私自身「性格が男性っぽい」と言われることも多く、男女の違いについては、基本的に「同じ人間だから、男も女もない」と捉えてはいますが…)。
子どもの頃から、男の子と女の子では、遊び方が異なる。
男女の相違は子どもの頃から明らかで、男の子は乗り物が好きですし、女の子はぬいぐるみや人形などかわいらしいものを好みます。また、男の子は、ゲーム等勝ち負けを競う遊びが好きですし、リーダー格の子どもが抜きんでて、その他の子どもを指揮する傾向があります。対する女の子は、勝ち負けを競う遊びに関心は低く、むしろみんな仲良く横並びで遊びます。
幼少時のこうした傾向は大人になっても影響しており、「男性は集団(組織)の中で力の強いボスに従う」という組織の一員としてのふるまい方に慣れています。また、戦略・戦術といった戦いモードの言葉で説明すると、興味を持って話に聞き入るものです。
対する女性は、横並び思考のままで、抜きん出ることをあまり好みません。よく経営者の方がとても頑張っているので本人に良かれと思って女性をリーダーに任命すると、辞退されたり、最悪の場合「辞めます」と退社してしまったと嘆いていますが、これも横並び思考の名残です(最近は、女性のみならず、若手男性社員も、別の意味で上昇志向がなく、自分自身の価値観を大切にするため、昇格を拒むケースも多いものです)。
「縦」のつながりより、「横」のつながりを重視する弊害
このように、男性と比較して、女性たちに概して「組織思考が不足」しているのは、子どもの時から「横並び」意識が強いためであると分析しています。
良くいえば、「同じ目線」で本音で物を言う。悪くいえば、「上下の認識が甘く、無礼なことを平気で口にしてしまう」ということ。男性たちは上司に対してはかなり言葉を選んで使うものですが、女性たちは本音で自分の意見(時には私見も交じる)、要望をストレートに使いがちです。
日常会話程度ならこうした女性たちの傾向もあまり支障はないでしょうが正式な場面(社内における提案やプレゼンテーション、答申など)では、内容は悪くないのに組織思考が欠落していて、自分(私)思考で主観的に意見を言うため、却下されるケースにこれまで多数遭遇してきました。
そのため弊社では、女性たちに男性社会で通用するための伝え方を教え、提案・プレゼンテーション・答申などをあげていくためのサポートをコンサルティングや研修業務として行っています。
とはいえ、そのうち人口の半分を占める女性たちの数がビジネスの場でも増えてくれば、こうした慣習自体が逆転し本音でストレートに物を言い合う時代も、遠からず来るだろうと感じています。
国際認定経営コンサルタント 世界46カ国が加盟する国際公認経営コンサルティング協議会の認定を持つコンサルタント(The Certified Management Consultant (CMC))。外資系人材派遣会社のセールストレーナー、経営コンサルタント会社の新規事業室長を経て、1998年に研修・コンサルティング業務を柱とする株式会社ベーシックを設立。独自の〝フレーム&ワーク〟メソッドによって、関係構築型で確実に実績を上げるコンサルティング、営業マン育成や同行訪問による現場での実践指導、時間短縮と業務効率化の両立を手掛け、これらを融合した人材育成の仕組みづくり、営業ノウハウの共有化、顧客データベース構築、マネジメントスキーム構築等の、経営指導を得意とする。特に住宅・リフォーム・不動産業界の現場に精通しており、地方の小さな企業から東証一部上場企業まで、営業戦略、事業継承、人材育成、新規事業立ち上げ、女性活躍推進等のコンサルティングやプロジェクトマネジメントでも、高い評価を得ている。オール電化の普及率を70倍にアップさせた「オール電化」の陰の仕掛け人でもある。著書には、「女性パワーで家は3倍売れる」(住宅新報社)、「女性客のハートをつかむ住宅営業必勝マニュアル」「住宅営業そのやり方を変えましょう」(実務教育出版)等13冊、業界誌への執筆多数。 株式会社ベーシック http://www.basic7.com/ 一般社団法人フレームワーク普及促進協 http://www.framework.or.jp/ Yuko Tahara プライベートサイト http://tahara-yuko.com/
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