住生活基本計画の見直しに向けた検討を行っている、社会資本整備審議会の住宅宅地分科会は7月28日、住宅関連産業の抱える課題について意見を交換した。そのなかで、職人不足の問題について資料が示され、複数の委員から意見が出された。
国勢調査によると2010年時点で日本の大工人口は約40万人。うち60歳以上が約11万人と3割を占める一方で、30歳未満の若手は約3.4万人と極めて少ない。人口構成が現状のまま推移した場合、今後15年で高齢な職人の退職が急速に進むと、それを補うためにはかなりの若年入職が必要になるという課題を事務局が示した。また、施工業者へのアンケートによる職人不足を伝える資料も提示。ストック型の市場への移行には、適切な維持管理を行うための技能を持った職人の確保が欠かせないという意識を共有した。
委員からは育成の仕組み作りだけでなく公共工事の発注のルール変更も含め、業界・行政をあげた取り組みが必要との意見が出された。
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