日本建材・住宅設備産業協会(建産協、東京都中央区・藤森義明会長)はこの度、都内で総会を開き、昨年度の成果報告と今年度の方針を発表した。建産協の今年度の取り組みの中心は、リフォーム市場活性化と国際標準化だ。
藤森会長は「昨年度は消費税増税後の反動が想定以上で、住宅業界は予想以上の厳しい市況になったものの、過去に例がないほどの助成策により新築・リフォームともに回復の兆しが見えてきた」と話した。
今年度も、引き続きリフォーム市場活性化に向け推進活動を行う。主に4つの取り組みで進める。①設備インスペクション制度づくり②規制緩和に向けた提言活動③生活者に向けたリフォーム紹介活動④省エネリフォームの促進活動だ。
藤森会長は「欧米ではリフォームすれば住宅の資産価値が向上する。日本でも同様になれば、金融機関もリフォーム融資に積極的になるのではないか」とし、「断熱構造や省エネ性能の高い設備機器の設置について、資産価値として適切に評価できるシステムづくりに取り組んでいる。今年度はその実証実験に基づいて、将来の住宅資産価値の評価システムを提言していく」と話した。また、市場活性化には生活者のモチベーションを高めることも重要とし、「生活者の声に耳を傾け、規制緩和などの提言に引き続き取り組んでいく」と方針を語った。
環境性に優れた日本製品の海外展開も一層促進する。昨年度、温水洗浄便座の国際電気規格に関するニュー・プロポーザル提案に成功し、国際規格制定に向けた協議が日本主導でスタートしたことに触れ、「国際標準化」を重要な方策と位置づける。
ASEAN諸国との交流促進や、日本製品・工業規格の紹介活動に力を入れていく。藤森会長は、「すでにベトナム、インドネシアで「節水技術」「窓の遮熱」などを紹介し、各国工業規格との整合性をはかっている。これらの活動を通じ日本製品の普及と、新たな国際規格づくりの際の提案力につながるものと考えている」と話した。
また、事業者向けサービスの拡大として、建材と住宅設備の電子カタログ閲覧サービス「カタラボ」を建築積算ソフトと連動し、建築設計をしながら建材や設備が確認できるシステムに発展させていくとした。
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