大和ハウス工業(大阪市)は、9月1日の防災の日に、津波の災害に備えて階段室屋上に緊急避難スペースを設置した3階建て賃貸住宅商品「セジュールオッツW-ev(ダブリューイーヴイ)」を発売。賃貸住宅商品のラインアップを拡充する。
同商品は、階段室を高さ約10mの鉄骨ラーメン構造のタワーとし、屋上部分に避難場所を確保する。避難した入居者をヘリコプター等から視認しやすくするために、緊急避難を知らせるSOS幕や発炎筒等を完備する予定。津波到達時の押し波や津波到達後の引き波など、水の流れを堰き止めにくい間取りを提案。外構には引き波とともに押し寄せる漂流物によって、建物および避難場所である階段室がうけるダメージを減らすための漂流物ブロックウォールを提案する。
東日本大震災では、従来の想定をはるかに超える規模の津波により、沿岸部の建物が壊滅的な被害を受けた。今後発生が予測されている南海トラフ巨大地震では、地震発生から津波発生、津波到達までの時間が短いと予測され、海岸や河川敷近くの平野部に住む人が一時的に避難するスペースを確保することが喫緊の課題となっている。同社では、各地方自治体が公表している「津波ハザードマップ」で標された津波の想定最大浸水深が5m以下の沿岸部や臨海部の土地オーナーをターゲットとした。
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