自民党の中古住宅市場活性化小委員会はこのほど、中古住宅市場の活性化に向けた提言をまとめた。レインズ(指定流通機構)システム活用ルールの強化や建物評価ルールの抜本改善など8つの提言として示した。今後、政策などに反映させていく。
提言はそれぞれ早急に取り組むべき事項と中期的に実現すべき事項に分けて整理。情報化を整備して流通を市場の透明性を高め取引を活性化させるというのが大きな方針となっている。
提言1では、事業者が物件の情報を社内にとどめ市場に出さない「囲い込み」に言及。レインズの利用のあり方について抜本的な改善の必要性を指摘した。具体的には取引の状況を客観的に明示させるとともに、売り主が物件の登録状況を確認できるようにする仕組みを導入することを、早急に取り組むべき事項として盛り込んだ。こうした運用の見直しでも状況に改善が見られない場合は宅建業法を改正して罰則の強化なども検討するとしている。
また提言2ではインスペクションや瑕疵保険の加入を促進する取り組みを強化することの必要性を指摘。中古住宅の住宅性能表示制度の充実なども進めていく。
このほか、中古住宅向け長期優良住宅の認定制度の構築などにも触れた。
8つの提言は以下の通り。
提言1 「囲い込み」の解消に向けたレインズルールの抜本的改善
提言2 インスペクション等の活用促進による情報の非対称性解消に向けた新たな取引ルールの構築
提言3 長期優良住宅の普及、一般住宅のリフォーム履歴等の保存・活用
提言4 担保評価を含む「20年で一律価値ゼロ」とみなす市場慣行の抜本的改善
提言5 中古マンションの管理情報の開示
提言6 不動産総合データベースの構築
提言7 新たなビジネスモデルとその環境整備
提言8 増大する空き家の市場での流通・活用の促進
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