●キーテック
LVLや南洋材合板を主力とするキーテック(東京都江東区)は、計画停電の影響などにより木更津合板工場の稼働率を落としていたが、4月から土日も操業させる体制に移行。生産量を震災前の通常ペースまで戻してきている。
主な製造品目はラワン普通合板、ラワン構造用合板などで、現在は9・12・15㎜の厚ものを手厚く生産している。
●三興プライウッド
南洋材合板を生産する三興プライウッド(愛知県蒲郡市)も工場の稼働日数を調整。4月から5%程度の増産体制をとった。フロア基材などに使われる二次加工用合板の製造が主で、構造・下地・梱包・心材用の合板は15%程度。このなかで、市場の要望に応じ、たとえば梱包用や下地用を減らし構造用を増やすなどの振り分けを行っていく。
少量多品種の受注生産をメーンとするため「簡単に1割、2割の増産とはいかない」(同社)といい、原木の南洋材の調達も震災前からタイト。が、生産力の一部を振り向けることで極力要望に応えていきたい考えだ。
「台板合板などの本格的な需要は復興の段階になってからだろうが、現在も、仮設住宅にまわっているものもあると思う」(同)とする。
●森の合板協同組合
セイホクグループと岐阜県の素材関連組合などが連携してつくる森の合板協同組合(岐阜県中津川市)の合板工場も、3月にJAS認定を取得し、4月から操業を開始した。5月から、能力いっぱいの月間4800立米を生産する。
主な製造品目は、岐阜県産のスギ・ヒノキなどを用いた構造用合板。当初は9月をめどに生産能力を引き上げていく計画だったが、震災による資材不足に対応するため、5月からフル稼働の体制に入る。
●新栄合板工業
新栄合板工業(熊本県水俣市)も24時間フル操業により、月間1万3000立米の最大能力で生産を行っている。2~3年前は6割程度の工場稼働率だったが、今年に入り注文が急増した。2月頃からフル稼働していたが、震災後もこれを継続。既存の顧客への安定供給を維持しながら、仮設住宅や関西圏の需要にも応えている。
主な製造品目は国産材の構造用合板で、現在は厚24・28㎜の厚ものに手厚くシフト。「原木や接着剤の調達は問題ない」(同社)としている。
出荷については、できる限り実需にまわすように配慮。「先の分まで何100枚も手当てしたいという注文に対しては、実際に何枚が必要かを聞いて内容を整理。量の割り振りを行って出荷している」(同)という。
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