●丸玉産業
丸玉産業津別工場(北海道津別町)は従来からの24時間操業に加え、土曜日も出勤日とし、おおむね10%の増産を図った。増産分は主に仮設住宅需要へ振り向けている。
同工場の製造品目はすべて構造用合板。原木は北海道産カラマツ・トドマツがほぼ100%で、調達は「現時点では問題ない」(同社)。一般向け出荷については既存の顧客で手いっぱいの状況もあり「たとえば3カ月後など、先の注文には応えられない」(同)という。
●浅井合板工場
南洋材普通合板の製造を主力とする浅井合板工場(愛知県弥富市)は、東南アジアの原木確保がひっ迫していたところに、震災によって仮需が発生した。注文に供給が追いつかない状態にあったが、月間1000立米のペースだった生産を20%増の1200立米に高めて対応する。
9・12㎜厚など仮設住宅の内張り用の需要も若干あるが、基本的には既存の顧客への対応が中心。現在は新規の受注も開始した。「震災直後のパニック的な注文に比べると、だいぶ落ち着いてきた感がある」(同社)としている。
●林ベニヤ産業
林ベニヤ産業(大阪府大阪市)は24時間操業、土曜日出勤により月間2万立米の生産量を20~30%増産。最大で能力いっぱいの50%増を目指している。主な製造品目は構造用合板12㎜と、同24・28㎜の厚もの。出荷は仮設住宅向けが最優先で、12㎜の需要が多いことから、その比率を高め、急ピッチで生産している。
受注残が1カ月分あったためストップしていた一般向けの注文も、3月下旬から実需に限り再開した。問屋からの直接注文の場合は、現場までの配送を行うなかで、実需にもとづくことを極力確認して対応しているという。
原木は長野・岐阜・京都などの国産針葉樹が7割。「調達はいまのところ支障がなく、足りない分は輸入材でまかなう」(同社)としている。
●日新グループ
日新グループ(島根県松江市)は湖北ベニヤ、島根合板、日新、島根県合板協同組合でおおむね月間4万立米の生産能力を持つ。昨年前半は約7割の稼働率だったが、今年に入って8割にアップ。震災への対応でさらに稼働日数を増やし、3月は前月に比べプラス1000立米を供給した。
また3月下旬には、住友林業クレストから引き継いだ徳島県小松島市の工場がJAS認定を取得。4月から、月間約6000立米の生産能力を持つ日新四国工場としてスタートした。これにより、4月は前月比プラス2000~3000立米の供給を予定している。
増産分は、仮設住宅などの被災地支援資材として出荷。そのため構造用合板12㎜の生産比率を増やしている。さまざまなルートを通して優先的に供給していくとともに、既存の顧客に対しても従来どおりの安定供給を維持していく考えだ。
原材料の確保に関しては「海外からの針葉樹と、接着剤の値上げが懸念される」(同グループ)という。
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