国土交通省は、住宅政策の基本方針や目標を定める住生活基本計画の全国計画の見直しに向けた具体的な議論を始めた。4月21日、社会資本整備審議会住宅宅地分科会の会合を開き、改定に向け現状の住宅政策の課題の共有や意見交換などを行った。今後、月1回程度の頻度で会合を開き論点を整理していく。10月をめどに案を示しさらに議論を深め、年内に最終的な案をまとめる予定。年明けにかけて一般からの意見を募集し、来年3月に閣議決定を予定している。
同計画は、10年間の住宅政策に関する国の方針などを定める計画で、5年ごとに見直しを図ることが法律で定められている。
初回の会合で指摘された主な課題は、人口の減少・高齢者の増加、若年層の収入低下、空き家の増加、リフォーム市場の弱さ、ストック住宅流通の少なさ、郊外ニュータウンの老朽化、省エネ化の遅れなど。委員からは、空き家活用の目標を盛り込むべきという意見が出された一方で、供給量に対する空き家ニーズの少なさや質の低さが指摘された。また、高齢者が所有するストック住宅の質向上を図る際の費用ねん出の難しさを指摘する意見も出された。
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