建材開発・販売のエーディーワールド(本社:福島県)は、麦わらをボード状に圧縮加工してつくる「ハーベストパネルOSSB」の供給を拡大する。すでに中国の工場と増産の話し合いを終え、今後、徐々に入荷量を増やす方針。6月までに5000立米、7月から年内にかけて2万立米の輸入を予定している。
入手困難な合板に替わる面材として問い合わせが急増。現在「引っ張りだこの状態」(同社担当者)にあるという。用途は床・壁・屋根の下地、仕上げなどさまざま。JIS、JASの規格外で大臣認定未取得のため、耐力壁に用いる場合は筋かいなどとの併用が必要になる。あるいは、公的機関で行った予備実験のデータを付けることが可能だ。
ホルムアルデヒドの放散も告示対象外。ただし、建材試験センターで品質性能試験を行い、F☆☆☆☆基準値の1/3未満の放散量にとどまることを確認している。製品の寸法は巾1220×長さ2440㎜で、厚さが8・11・15・18㎜。設計価格は厚11㎜品で1枚あたり約5000円。翌日出荷できる体制だ。
同社は「ハーベストパネルOSSB」を、環境負荷の少ない新しい建材として普及させていきたい考え。「急場しのぎの代替品ではなく、従来燃やされていた未利用資源の麦わらを生かすことによるCO2削減効果、環境保全への貢献をコンセプトとしてアピールしていきたい」(同)とする。
同社は被災地の福島県南相馬市に本社を置く建材のプロとして、できる限りの被災者支援を行っていく方針。緊急プロジェクトをスタートし、大阪府の一時避難所に間仕切り壁として同製品2500枚を提供するなどの活動に取り組んできている。今後は同製品使って組み立て式収納ユニットをつくり、避難所に提供するといった支援も検討している。
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