シオン(岩手県矢巾町)は、純国産の油性自然塗料「U-OIL(ユーオイル)」を国産材—とくに間伐材に塗装することで、これまでにはなかった付加価値商品を生む取り組みを始めた。国産の「自然塗料x木材」のコラボにより、日本の林業を応援したいとの想いがあるという。
同社は、原材料のみの在庫をもち、注文を受けてから製造する完全受注生産型の塗料メーカー。小ロット・他品種、顧客が求める色をその都度製造することをつよみとしている。
古色、原色、パステルカラー、藍・朱・うぐいすといった日本の伝統色のほか、「誰がどう使うのかわからないようなカラー」をラインアップしてカラー見本を作成。これをもとに、国産材を扱う製材所や木工所とコラボすることで、塗料単体、木材単体では実現できない木質製品の開発・販売を提案していく。
このほど、天竜産間伐材を使った焼杉パネルのフォレストフィーリング(静岡県浜松市)とのコラボにより、カラフルな焼杉パネル製品「UROCO(うろこ)」が誕生した。
焼杉にあえて鮮やかな塗装をほどこすことで、住宅や店舗のアクセントウォール、ショールームや保育園の内装などに採用できるとして製品化。東急ハンズなどで販売が始まり、現在では「天竜杉の付加価値商品」として無塗装時にはなかった人気が生まれているという。
今後は、これまでの木部保護剤にはなかった「藍色」に着目し、屋外用自然塗料を活用したコラボにも挑戦したい考え。また、設計士と協力して新築・リフォームで国産塗料x国産材の事例を増やすほか、ガーデニンググッズや茶室キットの開発にも取り組む。
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