建物の状態を検査する専門家、インスペクターの位置づけが変わりそうだ。
生活者が安心して中古住宅の取引をするためのしくみとして、インスペクション(建物検査)は、重要なカギのひとつと考えられている。
これまで国は、インスペクションに関して「既存住宅インスペクション・ガイドライン」(2013年6月、国土交通省)をまとめ、それに沿った内容でインスペクションを行うことを促してきた。
ただ、インスペクションを行うインスペクターは、前述のガイドラインで要件が示されてはいるものの、定められた資格試験があるわけでもなく、取り組む事業者に任されているのが実情だ。
今回、国土交通省は、2014年度の補正予算案に盛り込んだ「長期優良住宅化リフォーム推進事業」で補助を受けるための条件の規定で、必須となっているインスペクションを行うインスペクターの要件を見直す。これまでの保有資格の条件に加えて、一定のインスペクションに関する講習の受講・考査合格が求められるようになる。
同事業を実施する国土交通省は、このインスペクターを要請する団体を、事業の枠組みのなかで「認定」する。法制度に裏づけられたものではないが、この事業を通してインスペクターのあり方をより明確に示していく考えだ。この認定が始まれば、新しい「公認」インスペクターが登場することになる。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。