芝浦工業大学(東京都江東区)工学部・土木工学科の伊代田岳史准教授はこのほど、東京テクノ(東京都町田氏)と共同で、コンクリート構造物の解体時に出るコンクリート塊(以下:解体コン)から取り出した骨材に二酸化炭素を吸着させることで品質が向上することを明らかにした。
これまでは路盤材として利用されてきた解体コンだが、道路建設の減少が予測される今後はコンクリート構造物への再利用——再生骨材の普及が期待されている。
ただし、再生骨材は品質によって3段階の規格が定められており、解体コンから取り出した骨材を再利用するためには、付着したモルタルを取り除いて加熱するなどの工程が必要で、この製造コスト・エネルギーがネックとなり利用が進まなかった。
伊代田准教授は、再生骨材に二酸化炭素を吸着させて炭酸化することで骨材の品質改善が図れることに着目。とくにモルタルを多く含んだ低品質なものほど、改善の効果が高いことを明らかにした。
今後は、再生骨材をコンクリート構造物に再利用するとともに、骨材を炭酸化する際に工場の排煙などを利用して二酸化炭素排出量の削減を両立するプロセスを構築していきたいとする。
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