健康長寿住宅エビデンス取得委員会(委員長・高橋龍太郎、事務局・一般財団法人ベターリビング内)は1月20日、中古住宅の部分断熱リフォームによる高齢者の改修前後の血圧を比較した実証実験で、血圧低下の効果があることを確認したと発表した。
実証実験は築30年前後の約40軒の断熱気密性の低い中古住宅に住む平均年齢70歳の高齢者を対象に、主にリビングの窓と壁・床・天井の6面の断熱と床暖房を施した部分断熱リフォームの改修前後の血圧を測定したもの。
それによると、断熱効果が顕在化した住宅に居住する高齢者53人について、収縮期血圧が134.8から130.9に、拡張期血圧が80.2から78.4に、平均血圧が98.4から95.9に低下、このほか、起床後の血圧上昇の抑制効果も確認された。
地方独立行政法人・東京都健康長寿医療センター研究所副所長で高齢者の健康生活や自立支援の研究に携わる高橋委員長は今回の実証実験について、「寒冷期に国内で多く見られる入浴中の心肺停止による突然死は欧米ではほんどど事例がなく、国内でも北海道と沖縄県では発生件数が少なく、住宅性能との相関性が高いと考えられる。今回の4ポイント以上の血圧低下は高血圧症の薬物でも投与しないと得られない結果で、部分断熱リフォームの効果は大きい」と説明した。
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