経済産業省は12月18日、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度の見直し方針を示した。再生可能エネルギーの導入量の拡大に向けては現行で500kW以上の太陽光・風力発電が対象になっている出力抑制を500kW未満にも対象とするよう変更する。10kW未満の太陽光についても原則同じルールを適用するが、出力抑制を適用する順位は優先的に取り扱う。今後、一般からの意見を募集したうえで、2015年1月中旬に施行する予定。
運用見直し策は、同日午前に開催された総合資源エネルギー調査会の新エネルギー小委員会で提示され、概ね了承が得られた。施行後に接続する設備は改正後のルールを適用する。ただし、施行前に申し込み済みの案件については現行ルールを適用する。
10kW未満の太陽光発電については、買い取りの対象が余剰電力のみで省エネ行動を促す効果を勘案し、10kW以上の出力制御を実施したうえで行う。
抑制の上限については、現行で年間30日間とされているところを、日数から時間制に変更。その上で太陽光発電については360時間、風力発電は720時間を上限とする。また、時間制御を行うため、太陽光発電については遠隔出力制御システムの導入を義務付ける。システム導入に関する費用負担想定は10kW未満太陽光は1台あたり5000円程度、10~500kWは同5~10万円。
買い取り制度の価格決定時期については、現行の接続申し込み時から接続契約時に変更する。その際、申し込みの翌日から最大270日を限度とし、その時点の買い取り価格を適用する。価格決定のルール変更は2015年4月1日以降の申し込みに適用する。
既存事業者については現行ルールのままとした。ただし、ドイツでは既存事業者にも適用していることを例示し、今後も検討する方針を示した。
接続枠を確保して事業を実施しない「空押さえ」については防止策を強化する。
地熱・水力発電は現行ルール通り、出力抑制の対象にはせず、バイオマスについては、出力制御の対象とするが、エネルギーごとに優先順位をつける。
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