武田純吾
皆さま、こんにちは。武田です。
「2020年までに工務店が必ずやるべき3つのこと」最終回です。
「基本に立ち戻る」についてお話します。
皆さまもご存知の通り、昔から住宅業界はクレーム産業と言われています。しかし、段々とサービス業として変化をしてきました。
そして、今時代の流れは、「本当に価値ある家」ということで工務店が変化をし、アーキテクトビルダーが増えてきています。
しかし、いまだに家を購入する方は住宅展示場に行き、そこでクロージングをされる方が半分以上います。
また、そこで購入しない方は自宅に帰ってインターネットを調べて他を当たってみる。という流れだと思います。
ハウスメーカーでマニュアル通りの営業をかけられている主婦は、その経験からプッシュ営業は嫌です。と壁をつくってきます。その壁をどう崩すかが重要になるわけです。
シクミ7割・ヒト3割という言い方をしますが、どんなにいいシクミ、商品を創ったとしても、動かすのはヒトですし、ヒトは感情の生き物です。壁を崩すには、それなりの努力が必要で、その役目が営業や設計営業です。
例をあげてみましょう。その方は、同じように住宅展示場に行き、4社廻ってどの会社にしようかと迷っていましたが、土地がありませんでした。
その展示場では土地を探してくれる会社もありましたが、中々いい土地もなく、学区も今の場所から離れたくなかったのでインターネットで色々な土地を調べたり、ビルダーさんに依頼をしました。
それでもなかったので、工務店にも頼むことにしました。しかし、工務店はあまりなじみもなく、「すぐ潰れてしまいそう。」と思っていたそうです。
結果としては、土地が見つかりその工務店で建てることになったのですが、なぜその工務店は契約を貰えたと思いますか?
工務店は違う学区を提案したのですが、その調べ方がすごく細かく、且つ奥さんが知りたいこと以上のことをしてくれたからです。
マップにその現地の写真を貼り、子供が通学する時間を歩き、子供だとここから何分かかるのか、その道は夕方以降も安全なのか。緑のおばさんが何時から何時までいてどこを誘導しているのか。
事細かく調べて、ここだったら大丈夫です。という話をしてくれたそうです。工務店では心配だから契約はしないと決めていたそうですが、他社ではそういったこともしてくれなかったという部分と、感動してこの営業なら家づくりを頼んでも良いと思ったので契約したそうです。
一つ一つのご縁を大切にしているから、こういうことに繋がったのだと思います。どんなにいいシクミがあったとしても、最後はヒトになります。そして、どんなにいい家を建てていたとしても、ヒトの部分が弱ければ負けてしまいます。
ヒトの心を動かすのはシクミではなくヒトのために何かしてあげたいという心です。アーキテクトビルダーになるとHPもおしゃれにかっこよくと、ブランドイメージを創っていくと思います。
しかし、最後はヒトです。この部分を忘れずに、基本に立ち戻ってお客様の為にできること一つづつ増やして頂きたいと思っています。そのお客さまにしかしなかったことを標準化していけばきっと良くなると思います。
武田純吾 Takeda Jungo 株式会社シンミドウ 営業戦略・ブランディングコンサルタント 大学卒業後、株式会社シンミドウに入社以来、住宅業界に特化し全国にて業績UPコンサルティングを手掛けてきた。実務派であり、経営者と理論だけを語るのではなく、経営者・現場スタッフと共に成長するSTYLE、企業風土にあった営業手法を創り上げ、成功事例を基に全てオーダーメイドで業務の提供をしている。また、「結婚式と同じ感動を」をテーマに感動の引渡しプロデュースにて約7割の施主様から感動の涙を頂いている。コンサルティング内容、引渡しプロデュースにて高い評価を得ている。
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